はじめまして!
門野坂(かどのさか)です。
夏休みワークショップは昨年に引き続き、2回目の開催になります!
昨年は、計11名のお子さまが参加してくれました✨
このブログは「夏休みワークショップ2024」のご案内を見て、開いてくださった方が多いかと思いますので、ちょっとした自己紹介と、僕が考えていることをお伝えできたらと思います。
自己紹介
あらためて、門野坂翔太(かどのさかしょうた)と申します!
「門野坂」という名字、とても変わっていますよね。日本に20名ほどしかいないようで、いろんな人に驚かれます。
大学院を卒業し、現在は26歳です。
教員免許を持っています。
あと、カウンセリングとアルコールインクアートの資格も持っています🍀
ホームページで紹介している
https://maps.app.goo.gl/R633Jeg6hVLrKDaz6
↑コチラの場所は、塾でもあります。
僕はいま、友人と一緒に学習塾を運営しつつ、午前中の空いている時間は「受験勉強以外の教育活動」に取り組んでいます!
東京学芸大学大学院では
「カウンセリング」
「アートと人間形成」
などに関心をもって勉強していました。
塾の先生をやっているからと言って、いわゆる「受験勉強」や「お勉強」だけが好きなわけではありません。
高校生のころ、「自分の進路」や「何のために生きるのか」がすっかり分からなくなってしまって以来、自分自身に向き合う/自分の法則を発見する勉強も必要だなあと思うようになり、大学時代から今の今まで、一貫してその実現に奔走しています。
勉強で進路を切り拓くことが良いであろう子には受験勉強を、
自分の人生を見つめ直した方が、結果的には良い人生になるだろう子には、本ワークショップのような取り組みで「人生勉強」を提供しているという感じです。
↑これだけ書くと堅い感じが滲み出ていますが、実際の僕は
・M-1グランプリ(漫才の大会)に出場
・夢の国でアルバイト
・下北沢で演劇出演
・東南アジアをバックパック
と、アクティブな側面もあるし、想像されているよりはユーモラスだと思います!(自分で言うと、とても恥ずかしいのですが……‼)
さてさて、これ以降はチラシを見ただけでは伝えきれない、本ワークショップの流れとねらいを書いてみますね✨
ワークショップの流れ
ワークショップは、次の4つのステップで進んでいきます。
⑴ アルコールインクアートの説明
⑵ ワークショップのねらいを説明
⑶ 3枚の絵を描く
⑷ ゆったりふりかえりをする
各項目の詳細を見ていきましょう~!!
⑴ アルコールインクアートの説明
↑コチラは去年の様子です!
アルコールインクアートはどんな年齢の方にも取り組んでもらえるアート技法です!
インクアートの資格を取ったときの先生は「2歳の子でもできたんだよ~」と教えてくれました(笑)
まずは、アルコールインクアートのやり方を3分くらいで説明します🎨
⑵ ワークショップのねらいを説明
コチラの説明書↑を使って、
「上手い」「下手」にとらわれなくていいんだよ。
思ったとおりにできないのはあたりまえだよ。
描き方に正解はないんだよ。
テーマを決めて3枚描いて、後でふりかえりをするよ。
というインクアートに取り組むうえで必要な考え方もしっかりレクチャーします!
⑶ 3枚の絵を描く
初めての人が自分でテーマを決めるのはなかなか難しいので、今回のワークショップでは、
1枚目「自由に練習」
2枚目「自分の性格」
3枚目「最近の自分」
というテーマを決めてみました!
ポイントは、狙った通りにはならないことを知ること。
そのうえで、理想の絵から逆算して描くのではなく、現れてきた絵を受け容れることです!
⑷ ゆったりふりかえりをする
子どもたちには、ノートとボールペンを渡します。
描いた3枚の絵を振り返りながら、
・自分はどういった性格を持っていそうか
・最近の自分はどんな感じか
などを、形式の指定もなく自由に書いてもらいます。
↑去年のワークショップで、話しているときの様子
文字にして書けない子も、3枚の絵を見ながらぼ~っと考えを巡らせてもらいます。
デバイスに溢れた現代では、ゆったり自分をふりかえる機会も少ないですからね。
ちょっとした瞑想体験になるかもしれません。
以上で90分のワークショップは終了です!
保護者の方は、うしろで見ていただいても、読書などをしていても、川崎に買い物に行っても、どう過ごしていただいてもOKです!
12:30に戻ってきていただければと思います。
お子様は、汚れても大丈夫な恰好で来ていただければと思います。
持ち物は、特にございません。
※いつもは作品をデータ化してお渡しているのですが、今回のワークショップではデータ化はナシにしようと思いますのでご容赦ください。
僕とアルコールインクアートとの出会い
さて、「なんでまたアルコールインクアートを使って、自分をゆったり考えることが有効ななんだ?」と思った人もいると思います。
このセクションでは、僕がアルコールインクアートに出会った経緯を書くことで「ふうん、アートにはそういう可能性もあるんだな」と分かってもらうきっかけを作れればと思います!
まず、僕はからっきし美術が出来ない人です😅
中学時代は美術の成績が1番悪く、高校での芸術科目は、美術をまっさきに捨てて「音楽」を選択したくらいです(笑)
なので下手クソな美術は、自分が描くのではなく「観る」のが専門。
大学時代は「美学」の授業を熱心に受講していました!
アルコールインクアートに出会ったのは、大学院1年生のときです。
「大学院への入学が認められたからには、文才があると評価されたということだし、論文をバリバリ書いてエリート街道まっしくらだぜ!」というジャンプの主人公ばりの夢を抱いていました。
……実情はぜんっぜんちがいます!
「はい。書きたければ自分でテーマ見つけて書いて」という感じなんです。
完全に自分の実力がだけが試される世界です。
「……なんにも浮かんでこない」
「書けない……」
「想いを言葉にしたいと思っていたけど、言葉なんて大嫌いだ~!」
と悩みまくった僕は、
「言葉がいっさい関係ない表現方法」ってないかなと考えるようになりました。
スポーツにも取り組んでいたのですが、それだけではなんか違うなあと思い、検索しまくっていたところ出会ったのが「アルコールインクアート」だったのです。
先にも書いた通り、美術への苦手意識はあったのですが、
「誰でも取り組める」という言葉を信じてエイっ!と予約ボタンを押していました。
あたりはすっかり暗くなった19時ごろ。
おどおどしながら上野のワークショップへ参加しに来た青年(僕)は、部屋に案内されてもっと挙動不審になっていきます。
10人でのワークショップだったのですが、男性が1人だったのです……!
ほとんどの人が友だちと来ているし、ポツンと置かれている感が半端ありません。
完全に落ち着きのない僕のもとに、イケイケなお姉さんが「スパークリング・ワインでよろしいですか?」と聞いてきます。
※大人向けのワークショップで、ワイン片手にアートを楽しもうという趣旨のものだったので。
「……ひゃい」みたいな、言葉になっているんだが、なっていないんだか分からない相槌を打った気がします。まもなく運ばれて来たワイングラスを片手に、イケイケ姉さんの説明を受けます。
「アルコールインクアートは、非常に自由度の高い技法です。説明は最小限にしますので、皆さまの創造力を発揮して、アートを楽しんでいただければと思います」
という内容の説明を聞いて、僕は「……カッケェ」とワイングラスをナナメにしながら、口をあんぐり開けて呆気に取られていました。その後、今日ピックアップされたワインの説明を聞き、「それでは乾杯!」という合図で見ず知らずの人たちとおどおどグラスを突き合わせます。
その後、中央に集められ、インクの濃淡の見極め方や描き方などの簡単なレクチャーを受け、初めてのアルコールインクアートへ挑戦です。
……感動しました
四方八方に伸びていく青いインクが残していく跡を見ているだけで幸せな気持ちになりました。
周りの目をいっさい忘れ、自分とインクだけが会話する閉鎖的な空間の中でうっとりとアートに向き合っていました。
そのとき初めて描いた絵が↑コレです
伝えたい想いがあるはずなのに表現できない、自分の不甲斐なさと憤り。
それでも、自分が考えている内容はきっと誰かの役に立つはずだと抱く希望。
ごちゃごちゃする思いをすべて投影して描きました。
個人的に、非常に満足できました。
今でも部屋に飾っています。
言葉にできない想いをおもいきり投影することができたし、文章にするときには削ぎ落さないといけないごちゃごちゃする部分も全部込めて描くことができました!!
また、文章にはどうしても上手い―下手が出てしまいますが(大学院にいたので、文章力に対して過度に劣等感を抱いていたのかもしれませんが)、抽象画には上手い―下手といった基準はありません。
ひとたび自分が「できない」と思ってしまうと、何も行動ができなくなってしまう感覚を緩めてくれたのも、アルコールインクアートでした。
今でも、何か劣等感を抱くと、いったん深呼吸をしてインクアートをすることがあります。
劣等感を抱きすぎると、何もできないのが自分だとよく分かっているので。
以上が、僕とアルコールインクアートとの出会いです。
次の日から、また論文に取り組む足取りが軽くなったことを覚えています。
「なんかごちゃごちゃ考えていたけど、自分のやっていることに希望は感じているわけだし、できるところからやれればいいや」と思えたからだと思います。
もちろん、過去の話なので美化されている部分もあるかもしれません。
でも、確かに「自分の考え方が変わった」実感もあるのです。
少し難しいけど、ワークショップの意図を説明——ナラティヴ(物語)の可能性——
最後に、
「どうしてインクアートが認識を変更する可能性を持つのか」
という問いに対して、僕が大学院で学んできたナラティヴ・アプローチという考え方を用いて言語化してみたいと思います!
「ナラティヴ・アプローチ」というカウンセリングにも応用される考え方は、人が認識を変えるために、
・問題の外在化
・ユニークな結果への着目
という方法を提唱しています。
問題をいったん自分の外に置く(問題を外在化する)ことで、自分の意外な思い(ユニークな結果)に気づくことが出来るかもしれない、という可能性を示唆しています。
僕は、母や先生から言われ続けてきた
「やればできるんだから言われたことやれ」
という言葉にずっと悩んでいました。
この言葉から解放されたのは、大学時代に⑴哲学⑵アルバイト⑶様々な活動に明け暮れたことで「自分が価値を見出せたもの」と「自分で見通しが持てたもの」は頑張れるということを知ったからです。
自分自身と向き合うことで、自分の身体が動くときはどんなときなのかが分かってきたとも言えるでしょう。
夢の国でのアルバイト、頑張れました。
キャストとしての自分が話しかければ、喜んでくれる子どもがいることを確信できたからです。
M-1グランプリへのネタづくり、頑張れました。
自分(たち)がつくりだしたものが、誰かの笑顔を生むかもしれないと思えたからです。
哲学科の勉強、頑張れました。
誰かから言われたことを上手くこなせず、何も行動ができなくなっている人を、「考える力」で救えるかもしれないと、心の底から思えたからです。
哲学科だった大学時代は卒業最低ラインの124単位を大幅に超えて、205もの単位を取る勉強ぶりでした。
↑大学3年生で取った授業
意味を見出せたら頑張れるんだよなあ。
高校時代、1日2時間も勉強ができないくせに、「なぜこんなにも勉強に向き合えないのだろう」と泣いていた自分は、僕は勉強に向いていないのだと思い込んでいました。
大学に入り、勉強とは一見関係のない、アルバイトやお笑いに走りつつ、自分と向き合う=哲学するという勉強を継続することで、言われたことだろうと自分が価値を見出されば身体は動き出すというという自分の原則を理解することができました。
これら一連の話をナラティヴ・アプローチの観点から整理すると、
受験勉強という「問題」を、勉強があまり関係ないアルバイトやお笑いをすることでいったん自分の外側に置くことで(問題を外在化することで)、評価されることが嫌いなだけで考える要素が多分にある文系科目は好きという意外な自分の性質(ユニークな結果)が見えてくるということなんです。
そして、1つ前のセクションで描いた「大学院時代にアルコールインクアートで気持ちが軽くなった事例」に対しても、ナラティヴ的に分析をすると、
文章が書けないという「問題」に対して、インクアートに悩みを載せて描く(問題を外在化する)ことで、ごちゃごちゃと悩みが混在しているだけでコレを乗り越えた先には希望を見出しているじゃないかという忘れていた自分の想い(ユニークな結果)に出会うことが出来たと言えるでしょう。
おわりに
長々と読んでくださって本当にありがとうございます。
「絵を描くことで何が変わるのさ」という疑問に対して、「考え方が変わる人もいると思います!!」ということを説明してみたら、気づけば約5,500文字になっていました💦
・自分の中に溜め込まず、アートで<想い>を外側に出してみる。
・アルコールインクアートという初挑戦の技法から、意外な自分を発見する。
これらを通して得た<自分なりの発見>は、現実の見え方を少し変えてくれるのではないかと考えております。
「難しいこと言ってるけど、なんかちょっと意味ありそう?」と思ってくれた方。
ありがとうございます!!🙏
時間のある夏休み、価格も1,000円となるたけ低く設定してみたので、よかったら足を運んでみてください!
お問い合わせは↓コチラからです。
ご質問・ご要望欄に「夏休みワークショップ」と入れていただけると、ありがたいです。
それでは、お会いできることを心から楽しみにしております✨✨
2024/07/15
門野坂翔太
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